韓国料理には、季節の野草・山菜を使ったものがたくさんあるが、特に春のこの時期、よもぎを使ってさまざまな食べもの、飲みものをつくる。
よもぎは、ビタミンA・Cがきわめて豊富なほか、鎮痛、解毒、虫下し、血圧降下、血をきれいにする、体を温める、血管を丈夫にする、免疫力を高める、などのすぐれた薬効をもつため、漢方薬としても重宝されてきた。
食べもの、飲みものに使うよもぎは、芽吹いて日の浅い、やわらかい幼葉を摘むことが大事だ。よもぎは「宿根草」といって、毎年同じ場所に群生するので、お気に入りのスポットを一度見つければ、時期をみて毎年そこへ摘みに行くことができる。
摘んできたよもぎは、まず紙を広げた上で念入りにそうじする。ゴミや枯葉が混じっていないか、虫はついていないか、硬い葉や茎の部分ではないか… よい部分だけ選別できたら、次は水洗いだ。大きなボールで、水を何度もとりかえてよく洗う。ここまでの下準備が大変ではあるが、手間ひまかけてこそ、季節感あふれる自然の味を楽しむことができる。
■よもぎスープ( :スックッ) |
煮立てた汁によもぎを入れて煮た、春の香りたっぷりのスープ。地方や家によって作り方はちがうが、米のとぎ汁や、えごまの粉、きなこをといた汁を使い、味噌やにんにくで味つけすることが多い。こうすることで、よもぎの強い香りを抑えて、まろやかに仕上げることができる。米のとぎ汁に煮干しを入れてだしをとることもある。 |
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