古代朝鮮の建国神話である『檀君神話』には、にんにくが登場する。天子の子、桓雄(ファヌン)が人間界へ降りてきていたあるとき、虎と熊が人間になりたいと桓雄(ファヌン)にお願いしたところ、桓雄(ファヌン)はにんにく20個とよもぎ一握りを与え、洞窟の中でこれを食べて100日間修行すれば人間になれると言った。虎は途中で逃げ出したが、熊は言われたとおりに修行した末、熊女(ウンニョ)という女になって桓雄(ファヌン)の子を産んだ。これがのちの檀君である。
檀君神話の成立については未詳だが、古代朝鮮の史書『三国遺事』(1280年)に、中国の『魏書』(554年)からの引用として出てくる記述から、紀元前2333年を檀君が即位した年、すなわち檀紀元年とする見方もある。
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