あんこうは、韓国の冬の味覚として人気のある魚で、スープや煮もの、鍋ものに余すところなく調理される。低カロリー、高タンパク、豊富なビタミンAなど、栄養面でも現在の健康志向にマッチした食材である。しかし、そのグロテクスな外見から、韓国では4〜50年前まで、ほとんど見向きもされない魚だった。
■アグチム( ) |
あんこうの激辛炒め。ぶつ切りにしたあんこうを、大豆もやしや芹などの野菜と一緒に、とうがらしやにんにくたっぷりのタレでとろりと炒め煮にした料理。韓国語でミドドッ( )、日本語でエボヤと呼ばれる、長さ数センチほどの小型のホヤを入れることも多い。
アグチムの作り方は大きく二種類ある。一つは干したあんこうを使うもの(伝統的な馬山アグチム)で、もう一つは生のあんこうを使うもの(ソウル・新沙洞に近年できたあんこう横町の方式。釜山アグチムも同様)。アグチム発祥の地、馬山では、近くの漁港でとれたあんこうを干す専用の乾燥場が点在するという。
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