玉ねぎは、中央アジア〜地中海原産で、古く紀元前から栽培されていたといわれる。すぐれた栄養と栽培の容易さ、そして常温保存ができるなどの利点から、現在では世界中の多くの国で食べられている。
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日本には18世紀後半に長崎に到来したが、当初は食べものとしてあまり受け入れられず、栽培が普及したのは、洋食が食べられるようになった明治時代以降。一方、朝鮮半島には李氏朝鮮王朝時代に西洋船によってもたらされた説や、植民地時代に日本からもたらされた説などがあるが、一般に栽培が普及したのは、やはり食生活が西洋化した戦後といわれる。
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韓国語で玉ねぎのことを「ヤンパ」( )というが、「ヤン」は西洋を意味する「洋(ヤン)」、「パ」はねぎをさす。すなわち、「洋ねぎ」ということになる。
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■玉ねぎの種類 |
玉ねぎは、種を蒔く時期により、春蒔きと秋蒔きに大きく分けられる。春蒔きは秋から冬にかけて収穫されるのに対し、秋蒔きは翌年の初夏から秋にかけて収穫される。
そして、いわゆる「新玉ねぎ」と呼ばれるものは、秋蒔きのものを春のうちに早取りしたもので、柔らかくて水気が多く、辛味が少ないため生食向きだ。ただ、新玉ねぎは腐りやすいため、冷蔵庫で保存して早めに食べ切ることがポイント。
また品種でみると、もっとも一般的な「黄玉ねぎ」、アーリーレッドなどの品種で知られる「紫玉ねぎ」(赤玉ねぎ)、直径3〜4cmの「小玉ねぎ」(ペコロス)などがある。
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■玉ねぎの薬効
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玉葱は、非常にすぐれた薬効がある。まず、動脈硬化の原因となる血栓の生成を抑え、血液をサラサラにする作用。これは、玉ねぎの辛味や刺激の成分でもあるイオウ化合物、「硫化アリル」のはたらきによる。硫化アリルは、ほかにもコレストレールの代謝を促進し、高血圧や糖尿病を予防したり、疲労回復や気力充実のキーとなるビタミンB1を体内に長くとどめ、吸収を促すはたらきがある。これらのはたらきは、同じく硫化アリルを含むにんにくやねぎとも共通するものだ。 |
■玉ねぎを使った韓国料理 |
上述のとおり、韓国で玉ねぎが使われるようになったのは比較的近年のことだが、その後急激に普及して、現在ではさまざまな料理に玉ねぎが使われている。玉ねぎは多くの場合、主材料というより副材料として使われる。
たとえば、炒めものやチゲに入れたり、サラダや和えものに混ぜたり、チヂミの具に加えたり、すりおろしてヤンニョム(合わせ調味料あるいはタレなど)に入れたり、という具合である。 |
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料理の付け合わせにも・・・。 |
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