昆布は海草の中でもわかめ、ひじき、もずくなどと同じ「褐藻類」で、胞子によって増殖する。成長して採取できるようになるまで、約2年かかるが、採取された昆布はその日のうちに日干しし、平らにのばして切りそろえた後、出荷される。
昆布は、朝鮮半島でも古くから食べられており、「海帯(ヘテ)」という名称で文献に登場する。もっとも古いものでは『攷事十二集(コサシビジ
プ
)』(1787)に「海帯(ヘテ)は東北海中の岩の上に生え、これをスープの具にしたり、油で揚げてトゥガ
ク
を作る」という記録が残る。現在、朝鮮半島では東海岸〜済州島を除く沿岸のほぼ全域で昆布の養殖がおこなわれている。
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昆布はすぐれた健康食品
海草といえば、低カロリーでミネラル豊富、食物繊維豊富なアルカリ性食品。中でも昆布はカルシウム、鉄分を非常に多く含むうえ、体内吸収率がとても高いのが特長だ。
一方で、海草はすぐれたデトックス(毒出し)作用があるといわれるが、これは、海草に含まれる多糖類(食物繊維)の一種、アルギン酸のはたらきによるもの。アルギン酸は体内で消化吸収されることなく、大量の水分を吸ってかさを増し、便となって排泄されるが、その際、不必要な塩分や脂肪、有毒な重金属、残留農薬、発ガン物質などを水とともに吸収し、体外に排出してくれる。
昆布にはヨウ素も多く含まれるが、これは体内の新陳代謝を活発にするはたらきがある反面、食べすぎると甲状腺機能障害を起こすので、注意したい。
そのほか近年、昆布に含まれる多糖体のU−フコイダンがガン細胞を自滅させるはたらきを持つことや、F−フコイダンが老化防止のはたらきを持つことも明らかにされている。
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昆布の種類
昆布の種類は多く、日本では主に次のような品種があるが、朝鮮半島では明確な分け方をせず単に「
(タシマ)」と呼ぶことが多い。
真
(ま)
昆布
:肉厚・幅広の最高級品種。甘みのある上品なダシがとれる。韓国名「
」(チャ
ム
タシマ)。
利尻
(りしり)
昆布
:真昆布より幅が狭く、塩味が濃い。肉質が硬く変質しにくいため、とろろ昆布に適している。
韓国名「
」(オホチュクタシマ)。
羅臼
(らうす)
昆布
:知床半島の根室側沿岸でのみとれる、幅広で長い昆布。コクのある濃厚なダシがとれるが、ダシが黄色っぽく濁る特徴がある。
三石
(みついし)
昆布
(日高昆布):幅が狭く、まっすぐで波打っていない。柔らかく煮えやすいので、ダシ以外に煮ものなどの料理に向く。韓国名「
」(キンタシマ)。
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韓国料理における昆布
昆布は韓国でもダシ汁をとるのに使われるほか、煮ものやスープの具のひとつとして副材料的に使われることが多い。また、昆布を主材料とした料理には、次のようなものがある。
(タシマティガ
ク
)
:昆布の素揚げ。
肉厚の昆布を四角く一口大に切り、低温の油で揚げてから砂糖やごまをふったもの。箸休めのような小さなおかずとして出されたり、乾きものとして酒の肴にされる。
(タシマティギ
ム
)
ともいう。
(タシマチョリ
ム
)
:昆布の煮もの。
昆布と干したすけそうだらを醤油で煮つけたもの。
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