朝鮮半島では、古くから梨が食べられており、三韓時代や新羅時代の文献に梨が登場するほか、高麗時代の文献には梨栽培を奨励したという記録がある。
梨の種類は大きく分けて、東洋系の南方梨・北方梨と、ヨーロッパ系の西洋梨があるが、韓国では主に東洋系の南方梨が栽培されている。具体的な品種では、日本原産の大型種「新高」(韓国語では「シンゴペ」)が人気で、そのほか、新高と二十世紀を交配した「ファングムペ(黄金梨)」や、晩生種の「マンサムギル(晩三吉)」、「クムチョンチュ(今村秋))」などがある。
主要産地は全羅南道・羅州(ナジュ)、京畿道・水原(スウォン)。
■梨の効能 |
梨は昔から疲労回復、解熱、利尿、去痰作用があるいわれてきた。現在ではそれに加え、タンパク質の分解を促進する消化酵素や、抗癌作用をもつフライボノイドやポリフェノール、糖尿病患者への代替甘味料となるソルビトールなどの成分が注目されている。また、梨のシャリシャリとした食感は「石細胞」と呼ばれる食物繊維で、すぐれた整腸作用を持っている。
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