緑豆はインド原産で、小豆と同じ「ササゲ属」の豆。韓国では「 (ノットゥ)」、日本では「緑豆(りょくとう)」「八重生(やえなり)」「文豆(ぶんどう)」「青小豆(あおあずき)」などと呼ばれる。
緑豆はアジア以外でも世界各地で栽培されており、日本では発芽させて「もやし」として食べることがほとんどだが、朝鮮半島〜中国・インド・東南アジア諸国ではさまざまな食べ方をされている。たとえば、澱粉をとって春雨の原料にしたり、餅菓子の甘い餡、甘く煮たお汁粉状のデザート、羊羹状の菓子、柔らかく煮てカレーに入れたり、米と混ぜて炊くなど。
朝鮮半島では、「もやし」として食べるほか、豆そのものを料理や餅菓子に使ったり、澱粉をとって「ムク」を作ったりする。韓国語で澱粉全般のことを「 (ノンマル)」というが、これは漢字で書くと「緑末」(=緑豆粉末)となり、古くから澱粉をとるのに緑豆が使われてきたことを意味する。
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■緑豆の効能 |
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緑豆は解熱、解毒、消炎、利尿などの作用があり、特に体の熱をとる働きを強くもっている。また近年では緑豆に、大豆と同系の有効成分サポニンが含まれていることがわかり、その抗酸化作用、抗アレルギー作用による花粉症やアトピー性皮膚炎の軽減が期待されている。 |
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■緑豆を使った韓国料理 |
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(ノットゥチヂム):緑豆のチヂミ。
緑豆を砕いて水につけ、皮をとり除いてとろとろに挽いた生地に、豚肉や葱、キムチなどを入れて油で焼いた、「お焼き」の一種。一般には (ピンデトッ)と呼ばれることが多い。油気たっぷりのカリッとした香ばしさとボリューム感で、庶民から愛され続けてきた料理。焼酎やビールの肴にもよく合う。
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(ノットゥジュッ):緑豆のお粥。
緑豆を柔らかく煮、漉して皮などをとり除いたものに、米を入れてとろりと炊き上げ、薄く塩味をつけたお粥。
(ノットゥピョン):緑豆まぶし餅。
砕いて皮をとり除いた緑豆と、もち米粉を薄く広げて層状になるように交互に重ね、蒸し上げたお餅。
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