柿の木は東アジアの固有種で、欧米に伝わったのは18〜19世紀ごろ、日本経由といわれる。柿の実は2005年現在、全世界の7割以上が中国で生産されており、次いで韓国、日本となっている。
柿の実にはビタミン各種とカリウム、食物繊維が多く含まれるほか、血管を強くする作用や老化防止作用、肝機能を助ける作用もあり、たいへん健康的な食べものといえる。
その一方で、柿は鉄分の吸収を妨げたり、便秘、結石の症例も少なからず報告されていることから、食べすぎや空腹時に食べることは避けたほうがよいようだ。
また、柿の葉の効能も見逃せない。柿の葉には、加熱しても壊れにくいビタミンCが多量に含まれるほか、ビタミンK、各種ミネラルを多く含み、高血圧や動脈硬化の予防、風邪予防、咳止め、美肌効果、歯茎を強くする作用などがあり、日本でも韓国でも健康茶として利用されている。柿の葉茶は韓国語で
(カ
ム
ニ
プ
チャ)という。
↑韓国の市場に売られている柿
■
柿の品種と韓国独特の「紅柿(ホンシ)」
柿の品種は多いが、大きく甘柿系と渋柿系に分けられる。甘柿はそのまま生食できるが、渋柿は渋が抜けるまで吊るしておくか、アルコールなどで渋を抜いて食べる。渋柿はもともと甘柿よりも甘味成分を多量に含むため、干柿には渋柿のほうが向いている。
韓国でも柿は生食以外に、渋柿を
干柿
(
:コッカ
ム
)にしたり、「
紅柿
(
:ホンシ)」といって、渋柿を真っ赤に追熟させたものもよく食べられている。紅柿(ホンシ)は、砂糖のなかった李氏朝鮮王朝時代から甘味料として重宝されてきた歴史もあり、現在でもそのまま食べるほか、紅柿(ホンシ)ドレッシングや紅柿(ホンシ)シャーベットなどにも活用されている。
柿の品種としては、日本では現在、甘柿系なら富有柿や次郎柿、渋柿系なら平核無(ひらたねなし)柿(渋抜きしたもの)や市田柿(干柿)などの銘柄が有名。一方、韓国の在来種はすべて渋柿系で、
舎谷柿
(サゴ
ク
シ)、
丹城柿
(タンソンシ)、
高種柿
(コジョンシ)、
盆柿
(プンシ)などの品種があるが、近年よく栽培されている品種としては
清都盤柿
(チョンドバンシ)や
甲州百目
(カ
プ
チュペンモ
ク
)など。また、甘柿系は日本種である
富有
(プユ)、
次郎
(チャリャン)、
西村早生
(ソチョンチョセン)などが主要品目となっている。
↑紅柿(ホンシ)
↑ホンシを使ったドレッシング
■
柿で作った韓国のデザート
↑スジョングァ
↑コッカ
ム
サ
ム
●
(
スジョングァ
):干柿のシロップ漬け。
生姜、シナモン、粒胡椒を煎じて甘みをつけた汁に、干柿を浸け、冷たく冷やしたデザート。ふっくら膨らんだ干柿と汁の両方を楽しむ。
●
(
コッカ
ム
サ
ム
):干柿のくるみ詰め。
干柿のヘタと種を取り除き、中にくるみを詰めたお菓子。冷やして形を安定させた後、薄く輪切りにして食べる。
柿はそのほか、
柿餅
(
:カ
ム
トッ)や
柿団子
(
:カ
ム
タンジャ)にしたり、キ
ム
チに入れたりする。
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