竹はインド〜マレ半島原産で、アジアの熱帯・温帯地域に自生する。朝鮮半島では比較的気温の高い
嶺南
(ヨンナ
ム
)地方(慶尚道(キョンサンド))〜
湖南
(ホナ
ム
)地方(全羅道(チョ
ル
ラド))が主な生育地。
竹の種類は多いが、朝鮮半島でたけのことして食用にされている主な品種は、日本とほぼ同じで、次の3種類。
(メンジョンジュ
ク
)
:
孟宗竹
(もうそうちく)。朝鮮半島でも、たけのこといえば孟宗竹がもっとも一般的。4月中旬〜5月にとれる。
(プンジュ
ク
)
:
淡竹
(はちく)。たけのこの中で一番美味とされる。5月初旬〜下旬。
(ワンジュ
ク
)
:
真竹
(まだけ)。6月初旬〜下旬。
(チャ
ム
ジュ
ク
)ともいう。
たけのこは朝鮮半島でも古くから食べられており、李氏朝鮮王朝時代の文献『
増補山林経済
(チュンボサ
ル
リ
ム
キョンジェ)』(1766)、『
林園十六志
(イムォンシ
ム
ニュッチ)』(1827年頃)には、たけのこの調理法がいくつか出てくる。
たけのこは韓国語で
:竹筍(チュ
ク
スン)というが、「筍(スン)」とは、長く伸びる前の若い茎や芽を意味する。ほかに「筍(スン)」のつくもので韓国料理にしばしば登場するものでは、
(コグマスン:さつま芋の茎)、
(タレスン:さるなしの若芽)、
(マヌ
ル
スン:にんにくの芽)、
(トゥル
プ
スン:たらの芽)、
(タ
ル
レスン:のびるの茎)などがある。
■
たけのこの下ゆで
たけのこは掘りたてほど柔らかく味がよいが、これはたけのこに含まれるチロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸成分が、日光や空気に晒(さら)されると変質してアクが強く出るため。このアクとえぐ味の成分であるシュウ酸は、米糠(ぬか)の成分と結合しやすいため、米糠を加えた水でゆでることにより、ゆで水にえぐ味が溶け出やすくなる。また、皮に含まれる成分が身を柔らかくするはたらきがあるため、皮ごとゆでたほうが柔らかくゆで上がる。
■
たけのこの健康効果
たけのこの優れた点としてまず挙げられるのは、食物繊維。たけのこには良質な食物繊維が非常に多く含まれるため、便通効果が大きく、その結果として大腸がん、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病を予防・抑制する効果も非常に大きいといえる。また、カリウムが多く含まれることから、利尿作用にもすぐれ、体内の水分と塩分のバランスを整えるはたらきがみられる。
栄養的には、タンパク質が2.5%と、植物としては非常に多く含まれているほか、ビタミンB1、B2、C、Eも少なからず含まれる。
■
たけのこを使った韓国料理
(チュ
ク
スンチェ)
:たけのこの炒め和え。
薄切りにしたたけのこと芹、牛肉、椎茸などを別々に炒めた後、和えたもの。味つけは、しょうゆベースに酢を加えることが多い。
(チュ
ク
スンチ
ム
)
:たけのこの挟み煮。
たけのこの櫛の目の間、または切り込みを入れた間にひき肉を詰め、しょうゆなどで味をつけたダシ汁で煮含めたもの。
(チュ
ク
スンフェ)
:たけのこのお刺身。
ゆでたたけのこを薄切りにし、チョコチュジャン(とうがらし酢味噌)またはチョカンジャン(酢じょうゆ)をつけて食べる。
(チュ
ク
スンバ
プ
)
:たけのこの炊き込みご飯。
その他、たけのこはその独特の歯ごたえとクセのない味を生かして、スープやチョンゴ
ル
(汁気を少なくして炒め煮した鍋料理)、チゲ(汁の多い鍋もの)、ポック
ム
(炒めもの)などの副材料としてもよく使われる。
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