韓国料理ではしばしば「松の実」が使われる。これは、
朝鮮五葉松
(ちょうせんごようまつ)の
松かさ
(松ぼっくり)の中に入っている実である。
朝鮮五葉松は主に朝鮮半島〜中国、シべリア地方に生育し、松類の中でも特に松かさが大きく、一つ一つの鱗片も大きいのが特徴。鱗片の中には二個ずつ実が入っているが、硬い殻をむくのに大変な手間がかかることもあって、松の実は昔も今も高級食材とされる。
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松の実の薬効
松の実は、成分の6割が脂質で、そのほとんどがリノール酸、リノレン酸、オレイン酸など良質の不飽和脂肪酸。これらは肌を美しく潤し、アレルギーを抑えるほか、血管を強くし、血管に付着した老廃物を落とす作用がある。その他、タンパク質やビタミンA、Eなども多く含み、老化防止や疲労回復効果もあるため、朝鮮半島では古くから松の実を、不老長寿の薬として尊んできた。
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松の実を使った料理
松の実は、
コッカ
ル
(
)と呼ばれる尖端部分の小さな皮をつまみとってから料理に使われる。松の実は料理の主材料になることはほとんどなく、多くの場合
コミョン
(
)と呼ばれる料理のあしらいとして使われる。
コミョンとして使われる場合、コッカルをとってそのまま散らす場合と、細かく刻んでからパラパラと散らす場合がある。前者はたとえば
チョンゴ
ル
(
:鍋もの)、
ファチェ
(
:フルーツポンチ状のデザート)など。後者は
ジョッ
(
:炙り焼き)、
サンジョッ
(
:串焼き)、
フェ
(
:お刺身)など。
その他、宮中料理の中には、細かく刻んだ松の実と塩、ごま油などを混ぜ合わせて「松の実ソース」を作り、和えものの味つけに使う例もある。
↑トゥブ(豆腐)チョンゴ
ル
↑ファヤンジョッ(華陽炙)
↑トミフェ(鯛のお刺身)
↑テハチ
ム
(海老の松の実ソース和え)
また、数少ない例ではあるが、松の実を主材料とした、次のような料理もある。
●
チャッチュッ
(
):松の実粥。
松の実と米を粉砕し、水を加えてとろりと炊きあげ、塩で味をととのえたお粥。
韓国料理のお粥の中でも、特別滋養豊かな高級粥とされる。
●
チャッカンジョン
(
):松の実を飴で固めた韓国の伝統菓子。
↑チャッチュッ(松の実粥)
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