韓国食材と調味料
テハプ대합はまぐり
俗にいう「はまぐり」(韓国語では대합:大蛤(テハプ))とは、東アジア~東南アジア湾岸の砂地に生育する「ハマグリ属」(ハマグリ、チョウセンハマグリ、シナハマグリ、タイワンハマグリなど)と、それらの交雑種を総じてさすことが多い。内湾で育つ純粋なハマグリは環境汚染に弱く、日本では1970年代以降、干潟の埋め立てや水質汚濁により全国的にほぼ絶滅状態となり、それにかわって現在ではシナハマグリやチョウセンハマグリが多く出回る。
はまぐりは、朝鮮半島でも日本でも古くから食べられてきた。日本では縄文~弥生時代の貝塚からはまぐりの貝殻が大量に出土し、朝鮮半島でも新石器時代の遺跡から、他の貝類に混じってはまぐりの貝殻が出土している。
はまぐりの旨みと栄養
はまぐりの上品でコクのある味わいは、貝類の中でも際立っている。これは、コハク酸をはじめ、グルタミン酸、タウリン、アラニン、グリシンなど、旨み成分であるアミノ酸が非常にバランスよく含まれるためだ。
また栄養的には、はまぐりには鉄分やカルシウム、ミネラルが多く含まれ、貧血を予防し、コレステロールを抑える作用がある。また、肝臓のはたらきを助け、二日酔いにも効く。
はまぐりの料理
はまぐりは韓国でも日本でも、汁もの、鍋もの、焼きもの、蒸しものなど幅広い料理に使われている。ただし、はまぐりにはビタミンB1を破壊する酵素アノイリナーゼが含まれるため、生食には適さないといわれる。대합구이テハプクイ:はまぐりの焼きもの。
殻ごと焼いたり、むき身を薬味じょうゆにつけて焼いたり、細かく刻んだむき身に肉・豆腐などを混ぜて殻に詰め、焼いたりする。
대합찜テハプチム:はまぐりの蒸しもの。
細かく刻んだはまぐりのむき身に肉、豆腐、椎茸などを混ぜ、殻に詰めて蒸したもの。錦糸卵や糸とうがらしをあしらって美しく仕上げる。
해물탕ヘムルタン:海鮮鍋。
貝類、えび、たこ、蟹などのシーフードを取り合わせ、大豆もやしや芹、葱なども入れてピリリと辛く煮あげた鍋料理。