ブックカバーチャレンジ6日目は『食の文化話題辞典』です。
監修:杉野ヒロコ、発行所:株式会社ぎょうせい、発効日:平成5年10日1日、472ページにわたる分厚い本です。
インパクトのある表紙。27年前の本です。
監修の杉野ヒロコさんは料理ディレクター。料理や食文化、器にも造詣が深く、幅広い知識と人脈を持つ魅力的な女性でした。
パーティーや食事会、勉強会などで面識があり、この本を出版する際、「朝鮮料理のところ、キョンファさん、お願いね。」とお声をかけていただきました。
日本料理、中国料理、西洋料理、民族料理、菓子・軽食、世界のパン、世界の果物、酒、茶・コーヒーと9項目にわたり、質問に答える形で解説されています。
切り口がユニークで、杉野さんらしく、興味深く拝見しました。
私が担当したのは民族料理中の「朝鮮料理」で、15ページでした。
「ピリムパプのおいしい食べ方は?」、「焼肉のタレの秘訣とおいしい食べ方は?」、「魚料理はどんなものがあるの?」、「お膳の組み方と食作法は?」等、杉野さんと相談して質問を決めました。
今、読み返すと、説明不足で我ながら不満だらけですが、当時は精一杯やらせていただきました。
この本がきっかけで杉野さんとは長い間、親しくさせていただきました。
とにかくカッコイイ!
知性あふれる粋なお姉さまでした。
ある時、銀座の某フレンチで食事をしていると、彼女が現れ「あらぁー、キョンファさん、今ね、〇〇でお寿司食べてきたんだけど、ワイ飲みたくて来たの!ご一緒してもよい?」と。
上質なスーツに身を包み、髪はぴちっとシニヨン、そして常にハイヒール!
憧れました。周りを包み込む独特な魅力は私だけでなく、多くのシェフたちを虜にしたようです。
2009年の4月。杉野さんの企画で、著名なシェフの方々が神宮前のキョンファスタジオに集まりました。
韓国の食文化についてお話した後、コースで料理を召し上がっていただきました。
メインはトミチョンゴルでした。
お兄ちゃんの安川哲二さん、同年代の田村隆さんがいたので少し心強かったですが、どんなお話をしたのか覚えていないくらい緊張しました(笑)。
癌でお亡くなりになる最後まで潔く、お見事でした。
インターネットで何でも検索できる時代ですが、ページをめくり、活字で学ぶ楽しさも残したいものです。
杉野さん、お世話になりました。